A Girl Without a Country

VC(予定)の産業界観察記

Pro Recruiter Confrerence 2017:プロフェッショナルとしてのリクルーターを考える

Pro Recruiter Confrerence 2017に出席しました。

 

 ビズリーチさんが主催しているカンファレンスです٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

2030年に必要とされる職業トップ10に「リクルーター」がランクイン。 (中略) 本カンファレンスは、このような時代の流れを踏まえ、なぜ今「リクルーター」が着目されているのか?その答えのヒントを、経営者・大学教授、そして既にビジネスの最前線で活躍している「プロ・リクルーター」の皆様を講師としてお招きし、お話しいただきます。

 

 

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会場は東京ガーデンテラス 紀尾井カンファレンス。

 

では早速、印象深かった内容をシェアします。

 

◆1. ピープル・アナリティクスが変えるこれからの採用

 スピーカー:

PwCコンサルティング合同会社、人事・チェンジマネジメント、ディレクター、北崎茂 氏

 

従来の簡単な集計データや勘に頼った採用よりも、より生産性・確実性を高めた採用を可能とするために、トレンドとなってきたピープル・アナリティクス

 

現状としてアメリカが進んでいますが、すでに国内でも、一部企業は分析専門チームを置いているとのことです。

 

事例として出していた、志望動機の頻出ワードの分析結果は興味深いものでした。

 

ハイパフォーマーと、ローパフォーマーの志望動機には、

どのような違いがあるのでしょうか。

 

使用する単語や表現などによって、定量的に分析することが出来たら

面白そうだと考えたことはありませんか?

 

なんと、志望動機のコメントの分析、使用されている単語の出現頻度でプロットされたものから、下記の様なインサイトが導きだされてます。

 

読む前に少し考えてみて下さい❣️

 

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ハイパフォーマーの書類に頻出するワードは、

発信、発表、成功、提案、行動、取り組む・・・」等。

 

ローパフォーマーの書類に頻出するワードは、

確認、理解、新しい、メール、聞く・・・」等。

 

なるほど、たしかにーーーと思いました❣️

 

どの組織でも、自発的・主体的な人が高いパフォーマンスを出す傾向にあるようです。

 

ただ、パフォーマンスの定義というか、職種ごとにも異なる可能性がありますし、どのような標本を使った結果なのかが気になりますね。

 

もっとたくさんのケーススタディ&ベストプラクティス入手したいので、

今後もピープルアナリティクスは引き続きウォッチングしていきます!

 

 

◆2. 急成長企業が実践している採用戦略~プロ・リクルーターとは何か~ 

スピーカー:

株式会社サイバーエージェント、取締役、人事統括、曽山哲人 氏
株式会社メルカリ、HRグループ、石黒卓弥 氏
ラクスル株式会社、ハコベルタスクフォース、河合聡一郎 氏

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次に、私がとても楽しみにしていたセッションです。

 

大手企業と比べて資金力もブランド力も劣るベンチャー企業にとって、優秀な人材を獲得するのは至難のワザ。


にもかかわらず、誰が入ってもある程度同じ様なアウトプットが出る様に

ある程度仕組み化が進んでいる大手と異なり、

ベンチャーの場合優秀な人材こそ事業成長のキモとなりますよね。

 

個人的にはベンチャーの人事は大手の人事に比べてもめちゃくちゃ大事なポジションだと思ってます。


現場で候補者の相手をしていて、日々感じるのは、

ベンチャーほど、人事の腕次第で候補者の意向を左右できるということ。


メルカリの石黒さんは、そういう意味で凄い。


メルカリという会社もプロダクトも凄いけど、

メルカリの「石黒さん」は

それだけでブランド化していて、その凄腕採用力は噂になっている。


もはやアイドル。

 

60人規模だったころからジョインされ、現在450人までに規模を拡大させた

プロ・リクルーターの石黒さんが

自社における採用の取り組みについてお話をされるということで。

わくわくしながらセッションが始まるのを待ちます。

 

 

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モデレーターであるサイバー取締役の曽山さんが、人材育成について冒頭で語られていました。


基本的な考え方は「決断経験」の量と質が大事とのこと。

 

黙って言われたことだけやらせることや、やらされることに慣れている

オールドファッションなカルチャーは少し苦手なので、

個人的にはとても共感して、ずっとうなずきながら聞いていました。

 

大胆な決断、チャレンジによる成功経験を積むことによって自己効力感を向上させることも非常に大事ですが、いかに失敗による改善PDCAを回す経験をたくさん積める環境かが、産業界で成長し、ビックになるために欠かせないと思います。


 

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これからのリクルーターに求められること

 

メルカリのHRは、生産性を意識し始めた結果、従来採用活動にかけていた時間と労力を大胆に削っているとのことです。

 

要するに、広報がメディアなど外部へ向けてのブランディングを担当するとしたら、これからの人事は、候補者に向けたブランディングを担当する。

 

より上流で、本質的で、生産性の高い活動にファーカスされているということでしょうか。素敵です✨

 

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メルカリHRのミッション。

 

今回はプロ・リクルーターカンファレンスということで主に1に関する内容がメインでしたが、評価制度運用などについても、もっと詳しく知りたい!!と思いました。

 

◆終わりに

トレンドとして、従来のリクルーターは営業に近いイメージだったけれど、これからのプロフェッショナルとしてのリクルーターは、マーケッターと被る部分が大きくなっていくのではないでしょうか。

 

本カンファレンスで扱っているプロフェッショナルは、従来の人事という概念に収まるものではなく、今後「HRのプロフェッショナル」としての理想像が語られていました。

 

例えば、

  • 組織全体に今後必要になってくるタレントを予測し、その層にささるようなブランディングマーケティングを行っていく
  • AIとの共存→タスクをする人材ではなくて、物事を見据えていける人を育成
  • 外部との差別化と、協力体制の強化。(外部:ベンダーなどの上手い活用。Ex.ビズリーチ)

一人一人にアプローチして口説いてゲットするよりは、市場を見渡し適切なターゲティングを行い、その層に対して自社を魅力的なWork Placeとして認識してもらえるよう、最適な手段で売り込んでいく。

 

科学的、効率的アプローチが可能となってきた時代の流れを感じ取ることが出来た、非常にドキドキワクワクするカンファレンスでした!!